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  • Toshi Akashi

Issue 110: Digital Transformation of Women’s QoL - Part 2

今回はDigital Transformation of Women’s QoLというレポートの2回目の紹介になります。フェムテック(FemTech)はヘルスケアの分野を越え、女性の生き方そのものを支えるツールになりつつあります。

 

先月のシアトルでは、黒人男性のGeorge Floyd氏の死亡事件を受け、数千人のデモ隊がキャピトルヒルという地区の一部を占拠し、組織的な人種差別に対する抗議(Black Lives Matter 運動)が行われていました。このキャピトルヒルはシアトルのLGBTQコミュニティーの中心地としても知られています。また、シアトルの現市長であるJenny Durkan氏は自身がレズビアンであることを、そして前市長のEd Murray氏もゲイであることをそれぞれ公表しています。 シアトルの人々は、異なる人種や性的少数者(セクシャルマイノリティ)の人たちに対して非常に寛容です。このリベラルな風土が、働く人たちの居心地を高め、ユニークなスタートアップ企業の誕生にもつながっているのかもしれません。今回のSeattle Watchでは、リベラルや平等という価値観の観点からフェムテック(FemTech)の動きを見ていきたいと思います。 前回のSeattle Watchでは、女性のヘルスケアの問題をテクノロジーで解決するフェムテック(FemTech)が、2025年までに500億ドル規模の市場になることに触れましたが、この市場の拡大は、フェミニズムの動きとも深く関わっています。このフェムテック(FemTech)は、第4のフェミニズムの波と表現されることもあり、コンサルティングを手掛けるCarlin Solutionsの創設者であるCarla Franklin氏は、「テクノロジーが持つ2つの特性が女性の問題を解決するために利用できる。それはテクノロジーによって我々の声が人々に届き、またテクノロジーによって我々が繋がることである。」と述べています。そして、Turner Broadcastingの技術製品管理部門のシニアディレクターであるTara King-Hughs氏も、「テクノロジーによって社会の様々な女性に関する問題が議論されるようになった。」と指摘しています。 https://edition.cnn.com/2014/03/18/living/technology-empowering-women-identity/index.html つまり、フェムテック(FemTech)とは、女性のヘルスケアの問題を解決するだけでなく、テクノロジーによって性による格差を縮小したり、社会的なタブーをオープンにすることで、女性がより良く、ありのままに生きることを支えるツールになってきているのです。そして、このような動きを支援する新しい企業が登場しています。例えば、女性が性と生殖に関する健康について積極的に話すことを支援しているTia、同じ悩みを抱える女性をつなぐコミュニティーを提供しているFlo、そして不妊治療や卵子凍結によって女性をエンパワメントしているPrelude Fertilityなどの企業が出てきています。 このように世界ではフェムテック(FemTech)や女性のエンパワメントが進んでいる一方で、日本はその流れに乗り遅れているように感じます。実際、昨年の12月に世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本が前年の110位から153カ国中121位まで順位を下げています。 http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf Webrainでは世の中にあるビジネスは、作り手(クリエーター)の価値観を映し出す鏡のような存在だと考えています。だからこそ、作り手(クリエーター)側に性別、人種、さらに世代を越えたダイバーシティーを増やしていくことが、より魅力的なビジネスを生み出すための第一歩として大切なのではないかと深く思う今日この頃です。


 

<女性がより良く生きることを支援するテクノロジー> Tia (https://asktia.com) Tia は、複数のプラットフォームを用いて性と生殖(Reproductive Healthcare)に関する健康アドバイスを提供している。同社は、まず性と生殖に関する健康とウェルネスに関する情報を若い女性に提供するチャットボットのサービスからスタートしており、現在はウェブサイトだけでなくクリニックの運営まで拡充している。ユーザーが自分で管理出来るプラットフォーム上に健康記録を統合して、婦人科医や女性健康の専門家へのアクセスと利便性を高め、性と生殖に関する健康について女性が積極的に話すことを支援している。 Flo (https://flo.health) Flo は、初経、妊娠、育児、閉経というすべてのライフステージにいる様々な年齢層の女性のためのソリューションを提供している。同社は、ニューラルネットワークとAI を活用することで生理周期の予測精度を高めている。Flo のアプリは、パーソナライズされた日常の健康情報、専門家や他のユーザーが集まるコミュニティーを提供しており、このコミュニティーではユーザーは個人的な悩みをシェアしてアドバイスやサポートを受けることもできる。同アプリは、ユーザーの年齢、健康目標、基本的な身体情報に基づいてパーソナライズされた経験を提供している。また、Flo はもし患者が気になる症状を抱えている場合、そのケアに必要なツールや診察が望ましいタイミングを提案してくれる。 Prelude Fertility (https://www.preludefertility.com) Prelude は全米で不妊治療センターを運営しており、同社のミッションは、性と生殖に関する健康、様々なオプション、不妊治療に関する最新のサイエンスについて女性と男性に教育を行い、彼らが親になるためのベストな機会を提供することをミッションにしている。同社は、卵子凍結保存、体外受精、ドナー卵子、胎芽(受精卵が分裂を始めて分化が終了する前までの状態)の遺伝子検査、卵子と胎芽の保存、代理母出産、排卵誘発剤のデリバリーサービスを提供している。Prelude は、 最近NYU Langone Fertility Center と提携しており、MyEggBank と呼ばれるドナー卵子を凍結保存する卵子バンクを拡充している。

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