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Seattle Watch
Webrain が発行するSeattle Watchは米国の潮流や現地トレンド、注目のテクノロジーに関する独自の分析を紹介する隔週のニュース レターです。Seattle Watchは日本語でのみ配信しております。購読(無料)をご希望される方は、右のフォームにてご氏名とメールアドレスのご登録をお願いします。これまでに発行したSeattle Watchは下記でご覧になれます。
Webrain's "Seattle Watch" is a semi-monthly newsletter that presents a unique technology perspective from the Pacific NW.
Seattle Watch is published in Japanese only. Sign up to receive our newsletter and use the links below to read past issues.
SW 259 – 脳とコンピューターの接続:BCIの治験加速
今回のSeattle Watchでは、BCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)に焦点をあてています。米Neuralinkが基礎研究で存在感を示す一方、中国のNeuracleは侵襲型BCIとして世界初となる商用承認を取得し、実装・量産のスピードで先行しています。こうした米中の進展は、日本の医療機器・ヘルスケア企業の研究投資や事業戦略にも大きな示唆を与えるはずです。 脳に電極を埋め込み、コンピュータと直接つなぐ「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」は、長らく大学の研究室で少数の被験者を対象に行われる実験にとどまり、一般のビジネスパーソンにとっては「実用化はまだ遠い未来の話」という印象が強い技術でした。実際、脳に電極を埋め込んだことのある人数は、2020年代前半まで世界でも数十人規模にすぎません。 https://www.technologyreview.com/2026/06/19/1139270/brain-computer-interface-trials-are-taking-off/ ところがこの数字はここ1〜2年で
9月4日


SW 258 – AIネイティブ時代の教育のあり方
今回のSeattle Watchでは、AIネイティブ時代における教育機関の動向を考察します。AIチューター中心の大学が正式な学位授与権を得る一方、ミネルバ大学のように人間同士の対話や共同生活の価値を再定義する動きもあります。一見対極に見える両者ですが、「AIが知識を教える時代に、学校や教員の役割とは何か」という共通の問いに向き合っています。この構造変化は、企業の社員研修やリスキリングにも波及していくはずです。 これまで「教育のデジタル化」といえば、講義動画をオンラインで視聴させるMOOC(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン講座)が主役でした。しかし、MOOCの修了率は主要プラットフォームでおおむね5〜15%程度にとどまるとされ、MITとハーバード大学が共同提供した講座でも修了率は3%程度にとどまったという調査結果があります。動画を「見る」だけの一方向型学習は、成果が学習者自身の自己調整能力に大きく依存しており、脱落を防ぎにくいという構造的な限界を抱えています。 https://www.gii.co.jp/
8月14日


SW 257 – 関税インフレ時代の米国リコマース革命
今回のSeattle Watchでは、米国で広がる消費行動として、リコマース(中古品の再流通)とレンタル経済の最新動向を取り上げます。これまでこうした動きは「環境意識の高いミレニアル・Z世代のライフスタイル」として語られることが多くありました。しかしこの半年で状況は変わりつつあります。関税によるインフレ圧力が、リコマースを「意識の高い選択」から「家計を守るための現実的な防衛策」へと変質させています。 米国の消費者物価は、この半年で明確に悪化しています。2026年5月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比4.1%上昇と、3年以上ぶりの高い伸びを記録しました。デロイトが発表した2026年6〜7月の消費者動向調査でも、回答者の約4人に3人がガソリン価格の上昇を、74%が食料品価格の上昇を予想しており、家計の先行き不安は根強く残っています。 https://www.spokesman.com/stories/2026/jun/25/us-consumer-spending-picks-up-as-inflation-hits-th/...
7月30日


SW 256 – Company Brainが切り拓く インテリジェンス型企業の時代
今回のSeattle Watchでは、「Company Brain」や「AI OS for Company」という新たな概念や、Block(Squareの親会社)が目指すインテリジェンス(mini-AGI)型企業の構想を紹介しながら、AIネイティブ時代における企業変革の方向性について考察していきます。 エンタープライズ領域におけるAIの活用は、その登場以来、長らく「人間の業務を補助するツール」として進化してきました。ソフトウェア開発の省力化、カスタマーサポートの自動応対、契約書レビューや不正検知といったバックオフィス業務の効率化など、市場の投資は、高コストで時間を要する人的プロセスのボトルネックを特定し、AIによって「より速く、より安く(faster/cheaper)」成果を生み出すアプローチに向かっていました。しかし、テック市場の最前線では、すでに新たな潮流が生まれています。既存のワークフローにおける個別のボトルネックを解消する局所的な自動化から脱却し、企業内に散在するあらゆる情報や文脈を統合・活用する「Company Brain(カンパニー・
7月10日


SW 255 – AIはワールドカップをどう変えるのか?
今回のSeattle Watchでは、現在開催されている2026 FIFAワールドカップを、テクノロジーの側面から考察していきたいと思います。コネクテッド・ボールや選手のデジタルツインによる判定の高度化、エッジコンピューティングを活用した低遅延な映像配信、AIによる群衆マネジメントやロボティクスを組み合わせた安全対策、さらには生成AIを通じた戦術分析の民主化まで、今大会ではさまざまな先端技術が実装されています。 6月11日、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共同開催となる「2026 FIFAワールドカップ」が開幕しました。今大会からは出場枠が従来の32チームから48チームへと大幅に拡大され、16のホストシティで全104試合が繰り広げられるという、過去最大のスケールで幕を開けています。なお、Webrainが拠点を置くシアトルもホストシティの1つであり、「ルーメン・フィールド」(大会期間中の名称はシアトル・スタジアム)で計6試合が開催される予定です。 https://www.fifa.com/ また、今大会はテクノロジー面で「壮大な実験場」としての性
6月22日


SW 254 – Enhanced Gamesが切り拓く人間拡張と長寿経済
今回のSeattle Watchでは、5月24日にラスベガスで開催されたEnhanced Games(ドーピングを容認する国際競技大会)を題材に、「人間はどこまで進化できるのか?」という問いに迫ります。人間拡張(Human Augmentation)と長寿経済(Longevity Economy)という、今急速に拡大する2つのメガトレンドの実態を探ります。 2026年5月24日のメモリアルデー(追悼記念日)の週末、米国ネバダ州ラスベガスの巨大複合施設Resorts World Las Vegasに建設された特設エンターテインメントセンターにて、近代スポーツの歴史を揺るがすイベントが開催されました。それが、史上初となるドーピング容認のマルチスポーツ競技大会「エンハンスド・ゲームズ(Enhanced Games)」の第1回大会です。 https://www.enhanced.com/ この大会は、従来の近代スポーツが前提としてきた「クリーンな肉体」や「公平な競争」というパラダイムに対して真っ向から挑戦状を突きつけ、科学的な介入によって人間の生理学的限
6月6日


SW 253 – AIネイティブ企業のオペレーティングモデル
今回のSeattle Watchでは、今月Microsoftが公開した「2026 Work Trend Index Annual Report」をもとに、AIネイティブ企業における従業員、リーダー、そして組織の在り方について考察していきます。 Microsoftは、2026年5月5日にAI時代における働き方の変化をまとめた年次報告書「2026 Work Trend Index Annual Report」を公開しました 。昨年のSeattle Watchでも、本レポート(昨年版)を取り上げ、AIエージェントが労働力に加わることで「エージェント・ボス」という新たなリーダー像が台頭すること、そして彼らに求められる資質について紹介しました。(詳細はこちら) https://www.microsoft.com/en-us/worklab/work-trend-index/agents-human-agency-and-the-opportunity-for-every-organization 今年版のレポートでは、ハーバード・ビジネス・スクールのカリム
5月25日


SW 252 – メガIPOの陰で動き出す次のビジネス機会
今回のSeattle Watchでは、SpaceX、OpenAI、AnthropicといったメガIPOの動向を起点に、今後大きな変化が見込まれる産業や地域について、各社の予測をもとに考察していきます。AIがこの地殻変動の震源となっていることは間違いありませんが、AI市場と一括りに捉えるのではなく、AIが各地域や産業にどのように波及しているのか、その具体的な現れ方を見極めることがますます重要になってきていると感じます。 2004年のGoogle(Alphabet)、2012年のFacebook(現Meta)が株式市場に登場したとき、それは単なる新規上場ではなく時代の転換点として記憶されています。そして、2026年は同じ規模のインパクトをもつIPOが3つも起きようとしています。それがSpaceX、OpenAI、Anthropicの3社です。https://jp.reuters.com/markets/japan/LEJIWRA46ZP3LPBY24D44DDYRQ-2026-04-24/ イーロン・マスク氏率いるSpaceXは、2026年6月の上場に
5月8日


SW 251 – SXSW 2026で語られた未来予測
今回のSeattle Watchでは、先月テキサス州オースティンで開催された「SXSW 2026」について考察します。今年のSXSWは「原点回帰」をスローガンに掲げ、従来のテクノロジーカンファレンスの枠組みを超えた、より文化的・思想的なフォーラムとしての性格が強くなりました。それと同時に、あらゆるデジタル上の情報がAIによってフィルタリングされている今だからこそ、対面で集う「リアルな場」としての価値、そしてその「場の設計」がいかに重要であるかを改めて再認識させる機会となったようです。 3月中旬、米国テキサス州オースティンで「SXSW 2026(サウス・バイ・サウスウェスト)」が開催されました。1987年に音楽フェスとして産声を上げたこのイベントは、今や世界最大級のビジネスカンファレンス&フェスティバルへと変貌を遂げています。現在、SXSWは「音楽」「映画&TV」「イノベーション」を3大柱に掲げていますが、その領域はブランド、スポーツ、気候変動、ヘルスケアと多岐にわたり、イベント自体が「複雑化しすぎている」という課題に直面していました。そこで主催者
4月20日


SW 250 – 揺らぐ米国経済と変わる消費行動
今回のSeattle Watchでは、最近の米国経済について見ていきます。中東情勢の影響もあり、物価高やインフレ、失業率といった各種指標に悪化の兆しが見られる中、消費者の価値観や購買行動にも変化が生じています。これらの変化が長期的に続くものかどうかは見極めが必要ですが、少なくとも短中期的には、この変化に対応したビジネス戦略が求められるでしょう。 中東情勢に端を発するガソリン価格の急騰と、金融市場の変動の激しさにより、米国民の経済に対する見方は直近3カ月で大きく悪化しています。ミシガン大学の最新の調査によると、3月の消費者態度指数*の確定値は53.3となりました。この水準は、52.9を記録した2025年12月以来の低水準であり、米国民の間で経済への悲観論が広がっていることを示しています。同調査のディレクターであるジョアン・スー氏は、「中間層および高所得層、さらに株式資産を保有する層が、ガソリン価格の急騰と変動の激しい金融市場の双方から打撃を受け、特に大きな心理的悪化が見られた」と指摘しています。 * 消費者態度指数:現在の景気・雇用情勢や6ヵ月後の
4月6日


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