• Roger Yee

Issue 157 - シアトルのビジネス近況(2022年前半)

海外渡航の規制緩和が進み、先月頃から日本から訪問される方々も増えてきました。そこで今回のSeattle Watchでは、シアトルのビジネス近況について紹介したいと思います。6月に入りながらまだ雨の日が続くシアトルですが、日によっては夏の日差しが覗き、過ごしやすい季節の到来が期待されます。気持ちの良いこの季節に是非訪問して頂き、直接お会いできることを楽しみにしております。

 

シアトルは、アメリカの太平洋岸北西部に位置し、世界でも有数のテクノロジーハブとして知られています。もともとはボーイングの発祥の地として知られていましたが、その後、シアトル東部のレッドモンド市にメインキャンパスを構えるマイクロソフトの本拠地としても有名になりました。


これらの企業の大きな存在感はローカル経済に多大な影響を及ぼしており、大きな雇用を生み出しています。10年ほど前にはマイクロソフトの社員が5万人を超え、レドモンド市の人口が毎日111%ずつ増えていることが報じられました。2021年には、従業員は各地に分散していったものの、約5万7,000人の従業員がレドモンド、ベルビュー、シアトルなどの周辺都市のオフィスに通っています。しかし、このシアトル近郊にあるのはマイクロソフトだけではありません。


2004年にグーグルはこの地域にひっそりとオフィスを構え始め、着実にその存在感を高めています。現在では、シアトル、フリーモント、カークランド近郊で約7,000人以上の従業員を雇用しています。 Meta(Facebook)も2010年に進出し、現在では7,000人以上の従業員を抱えています。しかし、これらの数字は、シアトルで創業したもう一つの巨大企業であるアマゾンの前には影をひそめてしまいます。2021年の時点で、アマゾンはこの地域で7万5,000人以上もの従業員を雇用しています。


このようにシアトルには大手テック系の企業が集積していますが、他にもこの地域にはスターバックス、コストコ、Tモバイル、パッカー、ウェアハウザー、ノードストローム、エクスペディア、ジロー、F5ネットワークスなど、多くの企業の米国本社が存在しています。また、シアトル地域のスタートアップ企業も非常に活気に満ちており、特に最近成長を続けているのはバイオテクノロジーやライフサイエンス産業、エンタープライズ向けのビジネスなどの領域です。下記では最近のシアトルでのいくつかの興味深いニュースを抜粋しております。


スタートアップ関連:

米国経済の減速にも関わらず、ベンチャーキャピタルらは、シアトルのスタートアップエコシステムを楽観的に捉えている。ベンチャーキャピタルのFounders' Co-opのパートナーであるChris DeVore氏は、シアトル地域のエンタープライズソフトウェアへの注力は、現在の不透明な経済環境においてもあるレベルの回復力をもたらす可能性が高いと述べている。 https://www.geekwire.com/2022/why-seattle-startups-may-be-insulated-from-the-economic-downturn/


シアトル発のスタートアップのKaratは、直近の資金調達ラウンドで11億ドルの評価額を得て、ユニコーンの地位に到達している。同社はInterviewing as a Serviceのプラットフォームを構築し、エンジニアに対するテクニカルインタビューなどの採用面接代行サービスを提供している。 https://techcrunch.com/2021/10/13/karat-raises-110m-on-a-1-1b-valuation-to-grow-its-technical-interviewing-as-a-service-platform/


また細胞療法バイオテックのAurionが1億2千万ドルを調達し、数百万人が罹患する一般的な角膜疾患に対する治療法を推進している。なお、この治療法は2020年に京都府立医科大学からライセンスされた技術に基づいている。 https://www.geekwire.com/2022/cell-therapy-biotech-raises-120m-to-advance-therapy-to-treat-common-cornea-condition/


不動産関連:

メタ(フェースブック)はシアトル地域での拠点拡大を継続しており、11階建て34万5,000平方フィートのオフィスビルをリースし、2023年のオープンを予定している。 https://www.geekwire.com/2021/facebook-inks-another-lease-seattle-area-now-7k-employees-3-3m-square-feet/  


グーグルは、カークランドにあるキャンパスを拡大して新しいオフィスビルの内部を公開し、同地域に今年さらに1億ドルを投資する計画を発表している。このキャンパスには、グーグルがマイクロソフトやアマゾンなどの企業と人材獲得を競っている中で、テック系人材を誘致するための工夫が施されている。 https://www.geekwire.com/2022/photos-inside-googles-sprawling-new-campus-east-of-seattle-as-it-doubles-down-on-a-return-to-offices/


マイクロソフトの共同設立者である故ポール・アレン氏が創設したことでも知られるVulcan Real Estateは、グーグルのシアトルキャンパスの2ブロック、4棟を、同市の新記録となる1平方フィートあたり1,260ドル、総額8億200万ドルの価格で売却している。 https://www.geekwire.com/2022/googles-seattle-waterfront-campus-sells-for-record-price-in-sign-of-long-term-confidence-in-tech-office-market/


Webrainは20年以上にわたって、多くのテクノロジー企業を生み出し活気に満ちているシアトルに拠点を置いています。シアトルで起きていることを注意深く観察することで、私たちは常にグローバルのエコシステムで次に起きようとしていることをいち早く掴むことを目指しています。このダイナミックに変化するシアトルのビジネスカルチャーを皆さまにも直接体験していただける日を楽しみにしています。



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