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Toshi Akashi

Issue 127 Sales Tech: Data-enabled Trusted Engagement Part 2

今回は、デジタル時代の新しいセールス活動に関わるテクノロジーに焦点を当てた、「Sales Tech: Data-enabled Trusted Engagement」というレポートの紹介の後編になります。前回はセールステックという新しいマーケットの概要を簡単に紹介しましたが、今回は実際の事例を見ていきたいと思います。


 

ひと昔前の営業活動は、とにかく名刺を集めることから始まりました。そしてともかく電話を掛けリード獲得を模索するコールドコールも一般的な手法として認知されてました。しかし最近ではこのような手法が時代遅れであると多くの方が感じていると思います。その中でここ最近一般的になってきているのが、潜在顧客との最初のコンタクトをAIベースのチャットボットが担うという試みです。 Intercomが開発したAnswer Botという製品では、機械学習のアルゴリズムを使って企業への一般的な問い合わせを学習し、AIを使ってそれに適切に回答することができます。同社の実験結果では一般的な顧客からの問い合わせの29%が人を介することなくこのAnswer Botで対応でき、その結果、顧客への応答時間が44%も改善したと発表しています。 https://www.forbes.com/sites/alexkonrad/2018/10/10/intercom-launches-smart-chatbot/#4d305ab43365  また最近の営業活動でソーシャルネットワークの利用は不可欠ですが、企業にとってどのような発信が適切かを判断することは容易ではありません。そこでHootsuiteという企業では、Hootsuite EnterpriseとHootsuite Amplifyというソリューションを提供しています。ジョージア州立大学では、このツールを使って大学の魅力をアピールするキャンペーンを行い、2019年のUS News and World Report誌の大学ランキングで、米国で最も革新的な大学87校中で2位にランクインしました。 https://www.usnews.com/best-colleges/rankings/national-universities/innovative 営業担当者の日々の活動にとっても大きな壁があります。それは挫折と向き合う強いメンタルを保つことです。どんなに優秀な担当者でも野球と同じようにヒットレートは3割ぐらいと言われています。商談の7割は成績に繋がりません。そのような中で質の向上とモチベーションの維持は大きな課題になっています。そこで登場しているのがセールストークを改善するセールスコーチングプラットフォームやゲームの仕組みを取り入れたセールスマネージメントツールです。 Gong.ioでは、セールスコールのトピック、質問、目的を簡単に追跡できるプラットフォームを開発しています。そこでは優秀な営業担当者が使用したテクニックやアプローチを簡単に参照することが可能で、これによって営業担当者を効率良くコーチングし、セールスコールの質を向上させ、効果的なテクニックやメッセージを学ばせることができるのです。 https://www.gong.io/case-studies/hello-new-reality-how-jellyvision-uses-gong-to-keep-its-team-enabled-and-engaged/ 一方、Ambitionではセールス活動にゲームの要素を取り入れながらセールス目標を細分化してそれぞれをポイント化し、セールス担当者たちのコンペを可能にするプラットフォームを提供しています。このポイントに応じてボーナス、追加の有給休暇、社外イベントへの参加権などが獲得できます。 https://cdn.featuredcustomers.com/CustomerCaseStudy.document/ambition_allegis-group_None.pdf これらの事例を見ても解るように、デジタルの時代になっても営業活動から人間的な要素を排除することはできません。Webrainでも今回のレポートを通じて、セールス活動における心理的な側面の重要さを改めて学びました。ぜひ皆さんにも、心のこもった営業や経営とは何かということを再認識してもらえると幸いです。

 

<営業担当者を支援するセールステック企業> Intercom (https://www.intercom.com) Intercomは、カスタマーサポートやマーケティング向けのカスタマーチャットソフトウエアを提供している。複数の機能からなる同製品は、対話によるキャンペーンやカスタマイズ型のボット対応を自動化する。この製品はConversational Relationship Platform (CRP)と呼ばれ、AIが過去に尋ねられた質問を学習し、カスタマージャーニーの各段階でチャットボットやパーソナライズされたメッセージングを通じて、メッセンジャーベースの顧客との対話を実現している。 HootSuite (https://signup.hootsuite.com) Hootsuiteは、ソーシャルメディアを管理するプラットフォームである。ユーザーは、コンテンツのキュレーション、投稿のスケジュール、チームメンバーの管理、キャンペーンの追跡、ROIの測定などを行うことができる。このプラットフォームは、ビジネスで使用されているあらゆるソーシャルネットワークをまとめており、200以上のビジネスアプリケーションを統合し、ソーシャル広告から従業員のアドボカシー広告(自社についての発信)までをカバーしている。ユーザーは、1つのダッシュボードを介してソーシャルネットワーク上へのメッセージ、ブランドへの言及、そしてコメントに迅速に反応することができる。 Gong.io (https://www.gong.io) Gongは、セールスコールや製品デモの効果を高めるために開発されたセールス会話に特化したインテリジェンス・プラットフォームである。Gong Revenue Intelligence Platformと呼ばれる製品は、顧客との対話を全て取得して理解し、そのデータに基づいた意思決定を行うために必要な洞察を企業に提供している。このクラウドベースのプラットフォームは、AIを駆使してCisco WebEx、GoToMeeting、ZoomなどのWeb会議プラットフォームでの会話や通話を録音し、書き起こし、分析する。そして、それらの情報をCRMシステムと連動させることで、営業担当者の時間の節約、受注率の向上、戦略的な意思決定の基盤の提供、さらに収益増加につなげることができる。 Ambition (https://ambition.com) Ambitionは、ゲーミフィケーションの要素を取り入れたコーチングソフトウェアである。セールスリーダーはこのツールを使用してコーチングを行うことで、営業担当者のパフォーマンスやモチベーションを高めたり、目標達成のためのアカウンタビリティー(説明責任)を持たせることができる。同製品ではリアルタイムの管理が可能で、構造化された1対1のコーチングやチームでのコーチングセッションを実施したり、一元管理されたダッシュボードに主要な指標を表示したり、メールやSlackのアラートの作成や、生産性を高めるためのファンタジースタイル(ゲーム形式)のコンペティションを作成することもできる。

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