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  • ryee62

Issue 113: eSports and Digital Fan Engagement Platforms - Part 1

今回は、eSports and Digital Fan Engagement Platformsというレポートの1回目の紹介になります。eSports市場は、対話性(インタラクティビティー)によってプレーヤーだけでなく視聴者であるファンの体験を高めており、最終的にはスポーツやゲームの枠組みを超えたサードプレイス(人々の社会的な絆を深める場)としての地位を確立していくかもしれません。


 

eSports市場は急激に成長しており、コロナ禍の自粛生活で人々の娯楽が制限される中でも好調に成長を続けています。リサーチ会社のSuperDataによると、オンラインゲームの視聴者の数がHBO、Netflix、ESPN、それにHuluの視聴者の合計を上回っていると報告し、Netflixは2019年の1月に発表した報告書で、「我々はHBOよりもFortniteと競合し、場合によっては視聴者を失う可能性がある。」と発表しています。さらに、世界のゲーム市場の分析会社であるNewzooによると、eSportsの視聴者数は2018年の約3億8,000万⼈から、2021年には5億5,000万⼈になると予測されています。 https://www.pcgamer.com/more-people-watch-gaming-videos-and-streams-than-hbo-netflix-espn-and-hulu-combined/

eSportsが増え続けるファンを惹きつけている魅力の一つに、対話性(インタラクティビティー)があります。テック系メディアのVenture Beatでは、この対話性によって視聴者が他のファンやプレーヤーと直接繋がり、さらにバーチャルコインや実際のお⾦を贈ることでプレーヤーを支援することが魅力であると指摘しています。その中で、既にさまざまな企業がファンとの対話や触れ合いを高めるソリューションを提供しており、例えば、世界最大のゲーム実況プラットフォームで、投げ銭や配信に直接組み込み可能なオーバーレイやパネル機能を提供しているTwitch、AIを使って視聴者とプレーヤーが直接つながるような空間を演出しているGenvid Technologies、そしてゲーマーだけでなくゲームの開発者も多く集まる掲示板型のオンラインコミュニティーであるRedditなどが挙げられます。 https://venturebeat.com/2019/05/29/esports-broadcasting-once-borrowed-from-traditional-sports-now-its-their-future/

Call of Dudyなどの人気ゲームを手掛けるActivisionのCEOであるBobby Kotick氏は、eSports市場の今後の展望について、「人々はビデオゲームを通じて社会経験を積むことができる。ゲームにより多くの社会経験の要素が加わるようになれば、人々の関係はより強化され、そのつながりは人々に意義、目的、価値を提供していくだろう。この動きはすでに起こり始めている。」と述べています。 https://www.bloomberg.com/news/videos/2020-06-29/activision-ceo-sees-betting-fantasy-leagues-in-esports-future-video

その一例として、eSportsはゲーム対戦としてのスポーツ競技だけでなく、バーチャルのコンサート会場としての新しい機能も果たすようになってきています。世界的なDJとして知られるMarshmelloは2019年の2月にFortnite内でアバターを使ったコンサートを行い、1,000万人ものユーザーが参加しました。また、米国の人気ラッパーであるTravis Scott氏も、今年の4月24日から5回に渡って同様のコンサートをFortnite内で開催しており、約2,700万人の視聴者を集めて話題になりました。8月7日には、日本人アーティストの米津玄師氏もイベントを行っています。 https://www.forbes.com/sites/bryanrolli/2019/02/08/marshmello-fortnite-concert-boost-streams/#5c55c1d24c45

興味深いことにWired誌では、Fortniteのようなオンラインゲームは、現代のサードプレイスになると指摘しています。サードプレイスとは、社会学者のRay Oldenburg氏が1989年に考案した言葉で、自宅と職場の間にあるコミュニティを醸成する場所を意味しており、これまでは、教会、カフェ、酒場、そしてライブイベントやパーティーなどがサードプレイスを担っていました。 https://wired.jp/2020/05/14/fortnite-travis-scott-party-royale-third-place/

今後もそれが変わることはないかもしれませんが、ミレニアム世代や若い人たちにとってeSportsは、単なるゲームやスポーツという枠組みを超えて新しいサードプレイスとなり、人々が社会的な絆を深めたり、自分の存在を主張する場所として、ますます大きな役割を果たしていくことが期待されるでしょう。


 

<eSportsにおける対話性(インタラクティビティー)を支援するプレーヤー>


Twitch (Amazon) (https://www.twitch.tv)

Twitch は、もっとも有名なライブゲームストリーミングプラットフォームであり、配信されるコンテンツは主にビデオゲームの実況である。他にも、音楽、クリエイティブコンテンツ、そして人気ストリーマーによる実生活の様子を伝える配信などが含まれている。Twitchは、ライブストリーム⽤に設計されているが、オンデマンドでもコンテンツを視聴できる。同社は公式サイトで、300万人以上の月間アクティブクリエイターと1⽇に平均1,500万⼈の視聴者を保有していると発表している。eMarketerによると、2020年には米国で3,750万人が少なくとも月に1回はTwitchを視聴すると予測している。


Genvid Technologies (https://www.genvidtech.com/)

ニューヨークを拠点とするスタートアップであるGenvid Technologies は、ゲーム開発者が、Twitch などのライブストリームサービスを通じたeSports配信に、双方向性を組み込むためのツールを提供している。クラウドを経由してストリーミングに参加して、プレーヤーが競技中に視聴者からの歓声を聴くことができたり、フォローしているプレーヤーを途中で変更することを可能にしている。また、Genvidのツールを使用することで、視聴者は競技しているプレーヤーに関する情報をリクエストできる。さらに、各視聴者が「いいね」をクリックしたコンテンツに応じて広告をカスタマイズする機能もある。NTT DoCoMoは、東京ゲームショーでのデモンストレーションに同社の技術を採用している。


Reddit (https://www.redditinc.com/)

Redditは、さまざまな興味や関⼼を持つ⼈が集まるオンラインコミュニティーである。これらの興味に基づくグループはSubredditsと呼ばれ、ビデオゲームは⼈気のセグメントの1つとなっている。登録メンバーが、リンク、テキスト投稿、画像投稿をすることでコンテンツを提供し、これらのコンテンツは他のメンバーによって評価される。2019 年2月には、中国のTencentが率いる投資ラウンドで3億ドルの追加資金を調達している。これによってRedditの企業価値は30億ドルに成長している。米国のメディア企業であるAdvance Publicationsが主な株主で、Redditのユーザーの55%は米国となっている。

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