Seattle Watch

第3回目となるSeattle Watchでは、急速に普及が進んでいるHRテックの今後の展望についての情報をお届けします。人間性が求められる人事領域で、テクノロジーはどのような役割を担っていくのでしょうか。 

HR Tech for Change Management Innovation

テクノロジーは何十年にもわたってビジネスの重要な要素(イネーブラー)であり、研究開発、生産、オペレーション、財務などの組織機能と切り離せないものであることが多い。その中でも、人事(HR)領域におけるテクノロジーの影響は、これまであまり注目されてこなかった。今回、”HR Tech for Change Management Innovation” というWebrainレポートで紹介するのは、画面に評価を入力する程度の基本的な人事アプリやスタッフによる単純な反復作業に依存していた人事(HR)領域にも高度なテクノロジーが浸透しつつある現状である。

すでに現在、人事部門で使用されている業務ツールには他部門で研究者や開発者が用いているものと同じくらい洗練されたサービスが入ってきており、最先端のAIが活用され始めている。例えば、採用募集のシステムでは適切に表現された求人広告(SEO対策)を作成し、価値の高い潜在的な候補者に直接ターゲットを絞ることができるようになっている。また、アルゴリズムによって応募者のビデオ面接を分析して、その応募者が求人に適しているかどうかを即座に判断することもできる。さらに従業員は、入社から退職までの間、適切なタイミングでカスタマイズされたトレーニングやキャリア開発プログラムを受けることができるようになっている。

しかし、このレポートでWebrainが説明しているように、これらの洗練されたテクノロジーの価値は、その機能を専門的に実施するだけに留まらない。人事担当者は日々こなさなくてはいけない平凡な業務の多くから解放されることで、組織全体の従業員と「人と人との関係」を構築するためにより多くの時間を費やせるようになる。つまり、これらのツールは人事担当者の業務のあり方を変えるだけではなく、全ての従業員の人事との関わり方を変えることにつながっていく。Webrainでは、どのようなシステムを導入するにしても、人事は「良いときも悪いときも常にそばにいて支え、育ててくれる存在になる」ことを忘れてはならないと考えている。

テクノロジーはすでに企業のあらゆる部分に欠かせないツールになってきているが、これらのツールを使用する際には、人材のコアとなる「人間性」を奪ってしまわないように注意しなければならないと考える。

David Peterman, Editor in Chief

<採用募集に関するプレーヤー>
  
iCims (
https://www4.icims.com)
iCims のAttract と呼ばれるプラットフォームでは、従業員の採⽤に関するコスト、時間などの指標を分析することで、採⽤効率を⾼めることができる。同社は、マシンラーニングを用いたSEO(検索エンジンの最適化)によって、顧客の求人広告を検索エンジンの上位に掲載し、価値の高い潜在的な⼈材へのターゲティングをしている。

HireVue (https://www.hirevue.com/)
HireVue は、AI ベースのプラットフォームであるHiring Intelligence を提供している。同社のビデオ面接システムでは、AIが候補者の表情や言葉の選び方、そして話し方を分析することで、候補者の適性をスコア化して、応募者が求人に適しているかを即座に判断することができる。


<従業員トレーニングに関するプレーヤー>

Axonify (https://axonify.com/)
Axonify は、従業員を教育するためにインターバル補強(interval reinforcement)という⼿法を採⽤している。これは、定期的に同じコンテンツを反復して学習することで知識の定着率を高めるプロセスである。同社の製品では、状況に応じたマイクロラーニング(1回5分程度の短時間学習)、ゲームを使ったコミュニケーション、さらに学習効果のインパクト測定などに脳科学の知見を活用して従業員のトレーニングを提供している。1回あたり3分から5分のインタラクティブなトレーニングは各従業員ごとにパーソナライズされている。

Grovo (https://www.grovo.com/)
Grovo は、マイクロラーニングというトレーニング手法を採用している。その学習コンテンツのライブラリーには2,500 以上の学習テーマーが⽤意され、コンプライアンス、リーダーシップ、セールストレーニング、セクシャルハラスメントなどについて学ぶことができる。各従業員の入社時期、役職、異動など入社から退職までのキャリアパスに応じて、適切なコンテンツが提供される仕組みになっている。

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